こんにちは。
takashif1122です。
オプション取引の売り戦略を実践しています。
このブログはオプション投資素人の方に向けて発信しています。
前回から引き続きオプション投資について紹介していきます。
ちょっと長い文章になりますが、オプション売り戦略について非常に重要な概念を説明していますので、よかったら最後まで読んで下さい。
さて、今日は、私の投資戦略の主軸となる「オプションの売り」について紹介します。
売り戦略、これも投資に携わったことのない方にはあまり馴染みのない概念かと思いますが、株価が下がると予想したときに、売値を先に決めておいて、あとから買い戻すことを一般的に空売りといいます。
売り値を決めた後、予想通り株価が下がったら、市場から安く買い戻して、借りた株を返します。その差額が利益になります。(予想に反し値上がりしたときは損失になります)
具体例を見てみましょう。
ある会社の株価が1,000円だとします。この会社の業績が悪化すると予想したあなたは、売値を先に決めておいて、100株を借りて、市場で売りました。すると、あなたは100,000円(1,000円×100株)を手に入れます。
しかし、借りた株は返さなければなりません。その後、予想通り株価が下がり800円に下がったタイミングで、市場から100株を買い戻しました。すると、あなたは80,000円(800円×100株)を支払います。借りた株を返すと、あなたは20,000円(100,000円-80,000円)の利益を得ます。(取引にかかる諸費用等は考慮していません)
この考えをオプション投資に当てはめ、私の取っている戦略は以下の2つです。
①コールオプション(買う権利)の売り
②プットオプション(売る権利)の売り
まず①コール売りについて。
ある株について、株価が一定のライン以上に上昇しないと予想して、コールオプションを売ります。株価がコールオプションの権利行使価格より下の範囲に収まれば、そのオプション(権利)は無価値となりますので、売ったプレミアムがそのまま自分の利益となります。(予想に反し株価が上昇すると、損失が発生する可能性があります)
次に②プット売りについて。
ある株について、株価が一定のラインよりも下落しないと予想して、プットオプションを売ります。株価が権利行使価格より上の範囲に収まれば、オプションは無価値になり、売ったプレミアムがそのまま利益とあります。(予想に反し株価が上昇すると、損失が発生する可能性があります)
以上が空売りに関する説明ですが、上記だけでは
「単なる株の空売りと変わらんやないかーい!」
「株でできるのに、オプションでやる意味がないやないかーい!」
と考えられる方もおられると思います。
では、なぜここまで強く売り戦略にこだわりを持っているのか?という話になるのですが、それはオプション投資のみが持つ特有のメリットがあるからです。
そのメリットとは、
「タイムディケイ」
です。
これもオプションの専門用語ですが、非常に大事な概念なのでしっかり理解すべき重要ワードとなります。これをしっかり理解しないと米国株オプション投資で利益を上げることは不可能ですので、しっかり押さえておきましょう。
オプション取引におけるタイムディケイとは、オプションの価値が時間の経過とともに減少していくことを指します。
オプションの価値は、満期までに残った日数や原資産の予想変動率によって変わります。残存日数が長いほど、予想変動率が大きいほど、時間的価値は高くなります。
逆に、価値は時間の経過とともに確実に減っていきます。満期日に近づくにつれて価値の減少は加速し、満期日を過ぎるとゼロ円になります。この時間的価値の減少のことをタイムディケイと呼びます。
満期日までの日数が多い=オプション料が高い
満期日までの日数が少ない=オプション料が安い
上記の通りタイムディケイは日数の経過による価値の減少ですので、オプションの買い手にとっては不利に働きます。
一方、売り戦略を取る私にとっては、このタイムディケイという特性が非常に強烈なメリットをもたらします。
オプションの売り手は、タイムディケイによってオプションの価値が減っていき、満期日にはオプションが無価値(ゼロ円)になることが確実なのですから、「売り値を先に決めておいてゼロ円でオプションを買い戻す」のと同じ効果を発揮します。
つまり、米国株オプション売り戦略の肝は、
①ある株価の価格変動範囲の予想する。
②プット売り・プット買いどちらかのポジションを入れる。
③満期日にオプションの価値がゼロで決済されるまで待つ。
という3ステップとなります。
当然、株価の変動が満期日までに予想範囲内に収まるかどうかというところが大事ですので、範囲の予想は慎重に行います。相場の動き、直近の最金最安値、過去3〜5年の最高値・安値をチェックしたり、相場上下の判断となりうるニュースなどのファンダメンタル要因を全て考慮して範囲の予想を行います。(難しいことを書きましたが、範囲の予想ですので厳密でなくてもだいたい勝てます)
ただし、ご注意下さい。私は、売り戦略中心と申しましたが、絶対に売りだけのポジションを持つことはしません。なぜなら、
コールでもプットでも、売りだけのポジションを入れると、損失が無限大に膨らむから
です。
このため、オプションの売り戦略は
損失を最小限に抑えるための戦略とセットで考える
ことが必須条件となります。
オプションの売りは、オプション料を受け取る代わりに、実際にオプションの金額に到達したときに、権利行使に応じる義務が生じます。つまり、あなたはオプション料を受け取る代わりに、将来株価が上昇した場合に、株式を売る義務を負うことになります。
オプション売りは勝率が高いことで有名ですが、得られる利益に対する損失が大きすぎるため、「コツコツドカン」という形で表現されることもあります。上記のようなごく稀に起こる範囲予想の失敗により発生する損失は、非常に大きなものとなり、理論上、発生する損失は無限大となります。
特に権利行使価格が現時点での株価より大きく離れているオプションであれば、オプションの売りは100回中99回は利益になると言われますが、残りの1回で非常に大きな損失を出してしまい、時には全財産を失ってしまうこともあります。
以上より、オプションの売りは、リスク管理がマストです。損失を発生させてしまうとしても、一発退場にならないように工夫してポジションを組む必要があります。
ではどうするのが良いか?このようなリスクの回避方法については、近日中に再び投稿しますので、次回更新をお待ち下さい。
本日はここまでです。
ありがとうございました!
オプションの基礎知識は上記の書籍から得ました。この本では「オプション売り戦略」は推奨していません。しかし、この本から得られた基礎を自分なりの理解と解釈で発展させ、オプション取引のタイムディケイによるSQ日にゼロ円になるという特性を活用し、サクソバンク証券が提供する米国株オプション取引に活かして日々取引をしています。
投資は自己責任でお願いします。
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